コンプレックス [想うまま・・・]
たまに会う親戚は、妹を見て「綺麗になったね。」と言い、
その後、わたしを見て「・・・大きくなったね。」と言う。
このリアクションの違いに、思春期の頃は少なからず傷ついた。
だから容姿に関しては、幼い頃からコンプレックスのかたまり。
そして、高校生の頃、気にも留めていなかった自分の性格に、
クラスメートからの一言が心に突き刺さった。
「陰気だよね。」
まだ根暗って言われたほうがマシだったなぁ・・・
「陰気」という言葉は、その後トラウマのようにわたしの心に引っかかり、
自分の性格にコンプレックスを抱くようになった。
繰り返す転勤と社宅暮らし。
いろいろなタイプの人に出会っては傷つき、
時には人間関係のストレスから体調を崩し、精密検査を受ける事数度。
人間関係だけでなく、乗り越えなければ生きていけない幾つもの壁。
その壁は、生きていれば人それぞれ誰にでもある事。
今でも傷つきやすく打たれ弱いが、若い頃のようなひ弱さはない。
歳月の中で人生の荒波を乗り越えてきた経験が、自分をたくましくしてくれた。
もちろんこれからだって、いろいろな困難があるに違いない。
コンプレックスについて、恩師の珠玉の言葉を目にした。
なんだか目の前が開けるような思いがした。
『コンプレックスは、あなたが強く生きていく力となる。
すべてのコンプレックスが、あなたの力となる。
コンプレックスに苦しまなかった人は、繊細な心のメロディーがわからない。
コンプレックスで悩んだ分だけ、いじめられた分だけ、心のひだは深くなる。
心の響きも豊かになり、人の心がわかる人間になれる。』
あれから長い時が過ぎ、今はもう容姿もさして気にならず、
陰気な性格とは誰も思わないくらいになった。
(私の別ブログで書いていた記事を、お引越しして一部修正しました。)